共創による「清水港・みなと色彩計画」は、令和3年都市景観大賞「景観まちづくり活動・教育部門」大賞(国土交通大臣賞)を受賞しました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi10_hh_000371.html
皆様と共に美しいみなとづくりの取組みを進めてまいりました。
色彩計画策定30周年を迎える令和3年の節目として昨年12月末都市景観大賞「景観まちづくり活動・教育部門」に応募しました。
都市景観/景観まちづくり/まちづくり活動/教育部門のキーワードにしたコンクールは、私たちの活動にぴったりなのでは。。。と。
昨年度から計画エリアを清水港臨港地区に加え、市街地である都市計画区域を拡大し、景観による「清水みなとまちづくり」を目指しました。
計画当初は、港湾関連事業者全社のアンケート調査からは 「費用がかかる」「CIカラーがある」「本社に聞かなければならない」と63%が反対でした。そして塩害、耐震補修他の維持管理の際の塗替え時に富士山の風景に調和した港湾景観を目指すための色彩アドバイスを行う仕組みを策定したのが始まりです。それが30年、今や各事業者の自主的な取組は続いています。
本当に色彩計画を通じ、美しいみなとづくりのために様々な課題を共に乗り越えてまいりました。
そして、景観・色彩、デザイン意識は熟成され、共創による風景を誇りに思うシビックプライドが形成されています。
以下は、一次書類審査後、二次審査で現地視察して頂いた法政大学福井教授の講評です。
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清水港の取り組みは色彩計画という言葉では正しく表現できない。30 年以上にわたって取り組まれてきた港の風景の再デザインであり、その成果はこの風景を担うべく醸成された地域社会そのものである。港に連なる建屋の屋根の色彩はある範囲に収まりつつ微妙に色合いが異なり、単なる統一ルールでできた姿ではないことが伝わる。施設は時に抑制的に時に戦略的にデザインされ、丁寧な検討と協議が重ねられたことがわかる。港湾関連事業者は世界の港を見ているので意識が高いのだという。各社が工夫を凝らし、専門家のアドバイスを得ながら風景をひとつひとつ洗練させてきた。その動きは臨港地区の外側にも広がりをみせている。日本平から港を眺めると、海と山のあおと港のあおが引き立てあい、その向こうに富士山がそびえる風景が楽しめる。この風景を眺めて育った若者は心からふるさとを誇りに思えるだろう。港湾を管理する県、まち全体に責任を持つ市、物流・工業・商業などを営む事業者、将来を担う若者たちを含む市民、全体を見渡す専門家。港にかかわる全ての主体がそれぞれに磨き上げた清水港は現代日本を代表する美しいみなとまちである。(審査員 福井教授)